2020年12月19日 (土) 22:23 | 編集
今年最後の診療となって次はまた来年、となる患者さんとの挨拶は「来年もまたよろしくおねがいします、しかし今年は本当に変な年でしたねぇ」という感じになります。
ええ、変な年になったのは全て新コロのせいであります。
おいら、11月2日の時点で「第3波くるでしょ」というタイトルで記事を書いておりまして、見事にその予想は当たったわけですけど、まぁこれは世の中の多くの人が「冬になれば流行るでしょ」と思っていたことなので、別にエラくもありませんですな。
同時に「おそらく来月(12月)前半に3度目のピークが来るでしょう」とも書いたのですが、こちらに関しては12月後半に入ってもなかなかピークアウトしませんで、予想を超えて長引いているところです。

まぁ検査数が右肩上がりで増加していますからね、陽性者数はPCR検査数にほぼ比例しますので、不安を煽って視聴率を取ろうとするマスコミに単純に乗せられてはいけません。

新コロの死者数が増加傾向にあると、やはり不安になりますが、例年のインフルエンザの流行期(要するに冬季)は、これ以上の水準になりますからね。
例えば2019年1月におけるインフルエンザの死者数は、1か月間で直接死のみで1685名も出ています。
1日あたりの平均では、直接死のみで54人、関連死を含めると100名を超えてしまいます。
それに対して新コロの死者数は12月に入って増加したとはいえ、現時点の1日平均は関連死も含めて40人くらいです。
約2年前の冬に我々はどの程度の感染対策をしていたでしょうか。
経済に大打撃を与えるほどの対策が求められていたでしょうか。
現在、医療の逼迫が叫ばれていますが、これも新コロが指定感染症の2類相当の扱いをされているからで、インフルエンザの基準で考えると、医療従事者は「やらなくてよい激務」にさらされていることになります。
ちなみに、厚生労働省の通達で、新コロの陽性者が死亡したら新型コロナウイルスの死亡者としてカウントし、公表することになっています。
直接の死因はなんであれ、です。
老衰で亡くなっても、癌で亡くなっても、交通事故で亡くなっても、陽性反応者だったら新型コロナウイルスの死亡者としてカウントします。
これはひとつのデータですが、新コロの累計死者数が1473人だった時点において、ECMO治療を受けた人の累計死者数が68名、人工呼吸器を使用した人の累計死者数が171名で、合わせて239名です。
ということは、残りの1234人の死者はECMO治療も人工呼吸器治療もせずに亡くなったことになります。
これは医療崩壊により本来助かるはずだった1234の命を救えなかったということ?、、、普通はそうじゃないと考えますよね。
人間が感染症によって死亡することは、ある程度までは社会全体で受け入れなければなりません。
なぜインフルエンザで死亡することは受け入れて、新コロは拒絶するのでしょうか。
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